古くなった記事

【2021年】Google翻訳の精度はどれくらい?
童話を翻訳させてみました。

パソコンと向き合いgoogleを使う人

最も有名で誰でも使える翻訳アプリ、「Google翻訳」。自動で翻訳してくれて便利だけど前から訳に変なところがありました。現在どれ程まで精度が良くなったか、童話の翻訳を通して検証したいと思います。

「白雪姫」、「小人のくつ屋さん」、「ヘンゼルとグレーテル」の3つについて見てみます。

白雪姫

真っ白な雪、白雪姫のイメージ

そのうちに、白雪姫しらゆきひめは、大きくなるにつれて、だんだんうつくしくなってきました。お姫さまが、ちょうど七つになられたときには、青々と晴れた日のように、うつくしくなって、女王さまよりも、ずっとうつくしくなりました。ある日、女王さまは、鏡の前にいって、おたずねになりました。
「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
 すると、鏡は答えていいました。
女王じょおうさま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、白雪姫しらゆきひめは、千ばいもうつくしい。」
 女王さまは、このことをおききになると、びっくりして、ねたましくなって、顔色を黄いろくしたり、青くしたりなさいました。

青空文庫「白雪姫」

これを Google翻訳にかけると…

今、白雪姫は成長し、ますます美しくなりました。 そして彼女が7歳のとき、彼女はその日と同じくらい美しく、女王自身よりも美しかった。 そして、かつて女王が彼女の鏡に尋ねたとき

「壁にある鏡、鏡、この土地で誰が一番美しいですか?」

それは答えました

「あなたはここにいるすべての人よりも公平です、レディ・クイーン、しかしはるかに美しいのは真っ白です、私はその間です。」

それから女王は怒って、羨望の的に緑に変わりました。

Google翻訳

所々ある謎な文章に目をつむって意味を拾いながら読むと7割くらいはわかるかな?といった印象です。

大体どんな意味かを知りたい時には良さそうです、無料で英文を入力するだけで自動で瞬時に訳してくれるので十分優秀と思います。

問題点を拾い上げると、

凝った表現はできない

「青々と晴れた日のように、うつくしくなって」を「その日と同じくらい美しく」、「ねたましくなって、顔色を黄いろくしたり、青くしたりなさいました。」を「羨望の的に緑に変わりました。」、例えを用いた修飾のような凝った表現には対応できないようです。

名詞はあくまで名詞、登場人物を理解しない

「女王さま」を「レディ・クイーン」、「白雪姫」を「真っ白」としてしまうあたり名詞を登場人物として理解する機能が欠けているようです。女王さまを女王と呼んだりレディ・クイーンと呼んだりと統一性がなかったり、白雪姫に関しては人として認識されてません。

機械的な雰囲気

機械による翻訳だから当たり前ですが…、雰囲気を理解した言葉使いは無理みたいです。

「鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」

を「壁にある鏡、鏡、この土地で誰が一番美しいですか?」としては情感ゼロですね。

難易度の高い英単語を訳せない

「あなたはここにいるすべての人よりも公平です、レディ・クイーン、しかしはるかに美しいのは真っ白です、私はその間です。」の "公平です” と "私はその間です" について言えます。

"公平です” の方は英語の "fair" に "公平" の他に "品位のある"、"素敵な女性" というちょっと珍しい使い方があるから。

"私はその間です" の方は "ween"(思う、意見する) という難しい英単語を理解できなくて代わりに "between" を訳として当てはめてしまったと思われます。

もとの英文です ↓

Now Snow-white grew up, and became more and more beautiful; and when she was seven years old she was as beautiful as the day, and more beautiful than the Queen herself. And once when the queen asked her Looking-glass:

“Looking-glass, Looking-glass, on the wall, Who in this land is the fairest of all?”

It answered:

“You are fairer than all who are here, Lady Queen, But more beautiful by far is Snow-white, I ween.”

Then the Queen was angry, and turned green with envy.

Storyberries "Snow White and the Seven Dwarves"

残りのふたつは次のような結果になりました。

小人のくつ屋さん

明るいクリスマスを楽しむ二体の人形

すると夜がふけたころ、目にとびこんできたのは、ふたりの小人さん、服は何も着ておらず、くつ屋さんの仕事づくえの前にじん取ると、したくずみの仕事に取りかかり、まずはぬって、ちくちくとんとん、小さな指でたくみにすばやく、くつ屋さんも目をはなせず、どぎもをぬかれてしまいました。

青空文庫「小人のくつ屋さん」

真夜中になるとすぐに、2人の小さな裸の小人がやって来ました。 そして彼らは靴職人のベンチに腰を下ろし、切り取られたすべての仕事を引き受け、小指で縫い始め、縫い合わせ、ラップをし、そして靴職人がすべて不思議に思うほどの速さで叩きました。 彼の目は彼らから離れています。

Google翻訳

As soon as it was midnight, there came in two little naked dwarfs; and they sat themselves upon the shoemaker’s bench, took up all the work that was cut out, and began to ply with their little fingers, stitching and rapping and tapping away at such a rate, that the shoemaker was all wonder, and could not take his eyes off them.

Storyberries "The Elves and the Shoemaker"

ヘンゼルとグレーテル

お菓子の家とクリスマス

やがて、まんまるなお月さまが、高だかとのぼりました。そこで、ヘンゼルは小さい妹の手をひいて、小砂利をおとしたあとを、たどりたどり行きました。小砂利は、吹き上がって来たばかりの銀貨ぎんかみたいに、ぴかぴか光って、路しるべしてくれました。

青空文庫「ヘンゼルとグレーテル」

すぐに満月が昇り、ヘンゼルは妹を手に取り、月明かりの下で新しく造られたお金のようにきらめき、ヘンゼルが歩いているときに落とした白い小石が道を示しました。

Google翻訳

Very soon the full moon rose, and then Hansel took his little sister by the hand, and the white pebble stones, which glittered like newly-coined money in the moonlight, and which Hansel had dropped as he walked, pointed out the way.

Storyberries "Hansel and Gretel"

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