ASMRはその性質上
マイクのゲインを上げる必要があるので
ホワイトノイズ並び
環境音の影響を受けやすいです。
ソフトで処理するにしても
OBS標準搭載のノイズ除去だと
音質がだいぶ犠牲になってしまうため
今回ネットで評判の良い
iZotopeを試しに使ってみたら
そこそこ自然な形でノイズ処理できました。
処理後のサンプル音源を聞いてもらって
具体的な使い方も説明したいと思います。
ノイズの原因
始めにASMRのノイズで最も有名なのは
ホワイトノイズと呼ばれる
マイクやオーディオインターフェイスの
ゲインを上げると増す
サーッとした砂の流れる音みたいなノイズです。
これは機材には付き物で
配信者さん共通の悩みです。
他にもPCのファン、気温の変化で起きる家鳴り
近所の環境音など色々と入って来ます。
ちなみにガガー、ピーみたいな電子的なノイズは
マイクの接触不良なことが多いです。
ケーブルの差し込み直しで解決します。
ノイズ処理のサンプル
上記のノイズをiZotope RX10の
Voice De-noiseというプラグインで処理してみました。
ASMRの音声素材はDIMENSHOP様からお借りしました。
ホワイトノイズが聞こえるまで音量を上げてお聞きください。
耳かき♪
ホワイトノイズが消えました。
戸の開け閉めみたいな音は少し残ります。
綿棒♪
ホワイトノイズが消えて聞きやすくなりました。
オイルマッサージ♪
こちらもホワイトノイズがよく消えてます。
シャンプー♪
環境音が小さくなって
シャンプーされてる感が増しました。
炭酸水♪
炭酸の音はホワイトノイズに似ているため
ノイズと誤認されて消される
心配があったのですが大丈夫でした。
炭酸の音がOKだったので
きっとどのASMRの音にも使えるはず。
iZotopeの使い方
iZotope RX 10をPCにインストールした後
DAWやOBS等ソフトのプラグインから
RX 10 Voice De-noiseを見つけます。
私の場合はCakewalkというフリーのDAWです。
音源に適用すると画面が開きます。
初心者の内は
- Optimize for "Music"
- Filter type "Gentle"
にだけして、残りはそのまま使うのが良いと思います。
各項目の説明です。
Optimize for
会話と音楽どちらに最適化するか選べます。
耳かき、マッサージ音はどちらかと言うと
会話より音楽に近いので"Music"にします。
囁きやオノマトペ多めなら"Dialogue"も良さそうです。
Filter type
対象になっているノイズをすべて処理するか
若干ノイズを残して
処理後の不自然さを緩和するか選べます。
緩和したかったので先程の音源は"Gentle"で作りました。
Adaptive mode
チェックマークを付けると
ノイズ処理の対象を自動で選んでくれます。
慣れて来たらチェックマークを外して
①~⑥を動かしてお好みに調節できます。
Learn
Adaptive modeが常に対象を選び直し続ける一方、
Learnは最初に音声を分析して対象を固定します。
PCの負荷を抑えたい時に便利です。
Learnのボタンを押した後、音声を流すと分析してくれます。
Threshold
青い線の形はそのまままに位置を上下に動かせます。
ノイズ処理の対象を増やしたり減らしたりできます。
Reduction
どれくらいノイズ処理の対象の音を
小さくするか設定できます。
こちらも自然な聞こえ方に影響します。
Input
もとの音源の音量が
大きすぎたり小さすぎる時にいじります。
Output
処理している間に
変化してしまった音量の最終調整です。
OBSで使う
iZotope RX 10のVoice De-noiseは
VST3プラグインなのでOBS上で使うには一手間いります。
StudioRackという無料プラグイン経由で可能で、
詳しい導入方法はこの方の記事に載ってます。
Clarity Vxについて書かれてますがiZotopeも同様です。
ちなみに古いバージョンの
iZotope RX 8のVoice De-noiseは
VST2プラグインなためOBSにそのまま使えます。
PCのファンの音
優秀なプラグインほどPCの負荷が高く
ファンの音が大きくなりやすいです。
ASMRの収録にはファンの音も大敵なので、
iZotope公式サイトにある体験版を試してみて
仕様も含めチェックすることをお勧めします。
左上の「10 Day Free Trial」からインストールすると
ソフトにも自動でプラグインが入ります。
手に入れ方(PR)
iZotope RX10には初心者からプロ用まで
- Elements
- Standard
- Advanced
の3種類あり、Voice De-noiseは
Elementsにも入っているので
ASMR配信にはElementsで十分です。
購入はサウンドハウスがポイント付きでお得、
セールの時は半額になったりします。
ダウンロード納品と簡易パッケージ
どちらも内容は一緒です。
ダウンロード納品はすぐ使えて便利な一方
簡易パッケージは家に届くまで待つ必要があります。
まとめ
iZotopeをASMRに試してみて
ホワイトノイズにはかなり有効、
その他の環境音も軽減できる事がわかりました。
弱点としては、ソフトの性質上
大き過ぎるノイズには無力
また、どのソフトにも言えることですが
使う程に音の輪郭がぼやけて
遠くから聞こえて来る、みたくなります。
音質の劣化具合としてはマシな方なのかなと思います。
うっすらとかけて
ホワイトノイズを目立たなくする使い方なら
ASMR配信の質を上げてくれそうです。