大学に入ると沢山の講義名があって紛らわしい物も多いです。
その内の一つに「統計学」と「統計力学」があります。
統計学は数学なのですが、
「力」を書き加えた統計力学は物理学です。
この記事では統計学と統計力学の両方を勉強した私が
それぞれのイメージをわかりやすさ重視で書きたいと思います。
統計学は数学、統計力学は物理学
結論から言うと、
「統計学は数学、統計力学は物理学」
です。
統計学の講義では
数やグラフと睨めっこしながら数学の定理を勉強します。
統計力学では、気体、熱、エントロピー、と言った
物理現象が学ぶ対象になります。
両者の関係性としては
統計力学において統計学が利用されています。
統計力学は統計的観点を備えた力学、
と認識するとわかりやすいと思います。
より詳しく説明します。
統計学とは
数学の分野の一つ、
小学校で習う「データの活用」が統計学に当たります。
身近な所で言うとアンケートです。
例えばクラスの犬好き、猫好きな人の数を調べるのも
立派な統計学です。
一見バラバラに見える沢山のデータもグラフにまとめれば
法則性だったり分析がしやすくなる、というのが基本理念です。
高度には確率・分布による仮説の検定、未来予測もします。
統計力学とは
物理学の分野の一つ。
分子レベルの小さな視点から
力学を理解することを目標とします。
私たちが普段目にするものは実際には、
原子、分子といった
小さな粒の集まりで出来ています。
なので物理現象の研究には大きな視点に加え
小さな視点も大事というのが出発点です。
小さな視点で観察したものを統計的に扱うと
大きな視点で見た時と一致するので
小さな視点と大きな視点を結ぶ学問、とも言われます。
統計力学を一つ象徴するのが理想気体の状態方程式
\(PV=nRT\)
です。
これは大きな視点では実験的に得られる式ですが、
小さな視点を用いると理論的に導くことができます。
まとめ
統計学はデータをグラフにまとめて分析する数学の一分野です。
統計力学は小さな視点で観察されるものを統計的に扱って
大きな視点で見えるものを説明しようとする物理学の一分野です。
視点を転換して理論を再構築という難しいことをするので
統計力学の勉強で戸惑う人は多いです。