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ギターのライン録音は、
ギターの音を、オーディオインターフェイスに直接送って、
音作りは、アンプのシミュレーションソフトで行うのが一般的です。
しかし、いざやってみると、
ハードのアンプに比べて
やはり、音に物足りなさを感じます。
そこで、アンプとオーディオインターフェイスを繋ぐことで、
アンプヘッドはハード、キャビネットはソフトの
仮想的なアンプによる、ライン録音の方法を解説します。
※以下、オーディオインターフェイスをAIFと略します。
(この記事はサウンドハウスのPRを含みます)
アンプ→AIFの接続方法
この方法は、ハードのアンプヘッドで作られた音を
キャビネットには送らず、AIFに送って、
その後は、通常のライン録音から
アンプヘッドのシミュレーションソフトを省いた手順となります。
アンプヘッドで作られた音をAIFに送れる
アンプ側の出力は、以下の4種類あります。
- ライン出力
- ヘッドホン出力
- USB出力
- エフェクトセンド
参考動画です。
これらの出力と、AIF側の入力用コンボジャックを
フォンケーブル、またはXLRケーブルにより繋ぐことで、
ハードのアンプヘッドを利用したライン録音ができます。
具体的な手順へ移る前に、関連する
- ケーブル
- アンプの各種出力
- 音響機材の電流レベル
について説明します。
すでにご存じの方は読み飛ばしても大丈夫です。
フォンケーブルとは
フォンケーブルというのは、その名の通り
ヘッドホン、イヤホンに使われているケーブルであると同時に、
ギタリストにとってはシールドのことです。
先端に2本線が刻まれているTRSフォンケーブルと、
1本線だけのTSフォンケーブルの2種類あります。
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アンプはモノ音声を出力するので
TRS、TS、どちらのケーブルも利用可能、
お持ちのシールド、またはパッチケーブルを
利用するのが音質的に一番良いでしょう。
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高品質なXLRケーブルをお持ちの方は、
そちらもお試しください。
プラグの径
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プラグの大きさには6.3mmの標準型と、
3.5mmのミニ型の2種類あって、
お使いのアンプに付いているジャックの径に合わせて選びます。
シールドは6.3mmTSフォンケーブルに分類されます。
ジャックが小さめの3.5mmの場合は、
シールドは、そのままでは使えません。
例えば、こちらのOYAIDEのケーブルでつなげます。
出力の説明
ライン出力(LINE OUT)
一般的に用いられる、
アンプヘッドからAIFへ音声を送りたい時の出力です。
ヘッドホン出力
本来はヘッドホンで聞く用の出力なのですが、
ライン出力の代わりにも使えます。
特に、コンボアンプの場合、
キャビネット(スピーカー)から出て来る音をミュートできるので、
近所迷惑にならず助かります。
USB出力
アンプから直接PCへつなげます。
AIFを買わなくて済むのが長所ですが、
レイテンシー(音の遅れ)が大きく発生します。
エフェクトセンド
本来はエフェクターをつなぐ場所なのですが、
ここも使えます。
スピーカーレベルの電流に注意
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音響機材の中に流れる電流は、
弱い順に4種類あります。
- マイクレベル
- 楽器レベル
- ラインレベル
- スピーカーレベル
AIFに入力して良いのはラインレベルの電流まで、
ここまで紹介して来た出力からの電流は、
すべてラインレベルなので、安全にAIFに送ることが出来ます。
注意して欲しいのは、
アンプヘッドのスピーカー出力からは、
特別大きなスピーカーレベルの電流が流れて来ます。
こことAIFをつなぐと99%、AIFが壊れます。
具体的な手順
ここからは、私の持っている機材を使って、
ヘッドホン出力を利用したつなぎ方を、
写真付きで説明します。(ベーシストです)
使用している機材は以下の通りです。
- アンプ:HARTKE HD75
- AIF:MOTU M2
- シールド:Free The Tone CUI-6550STD
- パッチケーブル:Free The Tone CU-5050
- ヘッドホン:SONY MDR-7506
重心の落ちた力強い音を出せるセッティングです。
全体像
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クリックで拡大できます。
ギター→アンプ
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通常通り、ギターとアンプのINPUTをシールドでつなぎます。
ヘッドホン出力→AIF
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アンプのヘッドホン出力と、
AIFのコンボジャックをパッチケーブルでつなぎます。
(パッチケーブルの代わりにシールドでもOK)
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曲げつつ、
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差し込みます。
ジャック下に書いてある、mic/line/guitar は
マイク、ライン、楽器レベルの電流を入力できることを意味します。
AIF→ヘッドホン
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後にモニターするため、AIFとヘッドホンも繋いでおきます。
ちなみに、この電話のコードみたいな
ぐるぐる巻きは便利です。
ヘッドホンを被って、演奏中に体をひねっても
みょーんと伸びるだけなので、
コードの引っ張りによる機材の損傷を防いでくれます。
AIF→PC
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AIFとPCをUSBケーブルでつなぎます。
すべてつなぎ終わったら、
音量が0になっていることを確認してから、
- アンプ
- AIF
の順に電源を入れます。
これは突入電流と呼ばれる、電源を入れた際に発生する、
一瞬の大きな電流からAIFを守るためです。
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DAWを起動させて、軽く弾いてみて、
PCに音が届いていたら成功です。
ソフトのキャビネットとして、
例えばDAW付属のプラグインを付けて音作り完成です。
お好みでコンプレッサー、コーラス、オーバードライブ、
各種エフェクターを追加してライン録音できます。
まとめ
アンプとAIFをつなぐのに使える出力は、
- ライン出力
- ヘッドホン出力
- USB出力
- エフェクトセンド
の4つあります。
適切なケーブル、入力を用いることで、
ハードのアンプヘッドを利用した、
臨場感のある音作りのライン録音を楽しめます♪