英語が嫌いだと、
英語を履修せず卒業できる大学を探したくなりますよね。
結論から言うと、ほとんど全ての大学その学部で
英語は必修科目なので探しても見付かりません…。
では、なぜ英語を日本の大学が揃って必修科目と
しているかを文部科学省の政策と照らし合わせて
例として早稲田大学の英語履修の理由を見たいと思います。
各大学の判断で英語は必修に
大学で英語の授業を必修にする理由は各大学、
さらには学部により様々です。
なぜ統一的な理由が無いかというと、
この件に関して日本の教育を取り仕切る
文部科学省がノータッチだからです。
現在、”設置基準の大綱化”という政策が採られていて、
これは平たく言うと基本的な枠組みを除き
大学に自由なカリキュラム編成を許可したものです。
参考:文部科学省「大学における教育内容・方法の改善等について」
英語の授業をするか各大学がそれぞれに判断した結果、
ほとんど全てで「する」が選ばれたことになります。
では具体的にどのような理由で「する」を選んだか
私の母校の早稲田大学を例にしたいと思います。
早稲田大学の場合
英語を必修とする理由は学部により変わりますが
始めに共通点をまとめると次の様になります。
- グローバル社会に対応できるようにする
- 外国文化を学び多角的な視点を手に入れる
- 言語学習を通じてコミュニケーション能力を磨く
早稲田大学には、
- 政治経済学部
- 法学部
- 文化構想学部
- 文学部
- 教育学部
- 商学部
- 基幹理工学部
- 創造理工学部
- 先進理工学部
- 社会科学部
- 人間科学部
- スポーツ科学部
- 国際教養学部
の13学部あります。
ここからは学部ごとの理由を調べつつ
わかりやすく解説を付けて行きたいと思います。
政治経済学部
地球社会における望ましい共生の実現に貢献しようとする
出典:早稲田大学政治経済学部 教育理念
グローバルな人材を育てます。
グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指して
世界共通語の英語を重要視しているそうです。
確かに政治では外国の政治家と会談することがありますし、
また経済は世界規模で動くので英語は大事ですね。
法学部
日本語のみならず、外国語の知識および運用力をも活かし、
出典:早稲田大学法学部 教育理念
問題の解決を図るために、
他者との意思疎通および相互理解を実現する力
国際的なコミュニケーション能力による多様な価値観の理解、
また日本法は西洋法を受け継いだものなので英語読解は必須です。
公正な判決のためには英語も用いて
多様な視点を備えておくことが大事です。
日本の法律の基になった西洋法を勉強するため、
も納得のいく理由です。
文化構想学部
「必修英語」・「基礎外国語」などの履修を通じて、
出典:早稲田大学文化構想学部 教育理念
専門課程で充分に活用でき、
また様々な場面における
幅広いトピックに対応できる外国語能力を身につける。
日本のみならず海外文化の話題にも対応できるよう
英語を身に付けるそうです。
勉強の対象に海外のものが含まれていると、
必然的に英語を習うことになります。
文学部
文化構想学部と同様、幅広い話題に対応するため学ぶそうです。
英文学にも触れることで外側からも日本文学を理解できます。
教育学部
4)充実した外国語教育や少人数演習科目の履修により、
出典:早稲田大学教育学部 教育理念
優れたコミュニケーション能力を身に付けた人間を育成する。
学校の先生にとってコミュニケーション能力は大事、だそうです。
(先生になると生徒や先生仲間とたくさん会話します)
外国人の生徒を持ったり、
先生と一緒に働くことを考えると要英会話力です。
また言葉の勉強自体がコミュニケーション能力向上に繋がります。
商学部
ビジネスで必須となる語学力の習得を重視し、
出典:早稲田大学商学部 カリキュラム
6つの外国語から2つを選択します。
また、1年次に全員が少人数英会話科目
「General Tutorial English α・β」を履修します。
ビジネスでは語学力が必須、だそうです。
英語は日本を越えて世界の人との取引を可能にします。
また言葉を上手に使えれば商談もまとまりやすいです。
(基幹、創造、先進)理工学部
理工系の分野では、英語が世界共通語となっています。(中略)
出典:早稲田大学理工学術院 英語教育
また、卒業後の就職や進学・留学の際には、専門知識に加え、
高度な英語運用能力を持っていることが求められ、
昇進の際の条件にもなっています。
理工系の人にとって英語は世界共通語であり
特に仕事では昇進の条件にすらなっている、そうです。
科学の研究は世界中で協力して行われるので英会話は必要、
論文も基本英語で書かれます。
どんな活動をするにしても関係して来ます。
社会科学部
(国際性)
出典:早稲田大学社会科学部 教育理念
多様な国、言語、価値、利害関係を背景とする主体と
コミュニケーションできる
国際的な表現力と協働力を身につける。
グローバルな視点で社会の問題を解決できる
人材の育成を目指しているそうです。
”社会”は非常に大きな人間集団の単位なので、
地球規模の問題になりやすいです。
対応するには国際性を身に付けておく
必要があるので英語を勉強します。
人間科学部
グローバル社会では、複雑な現象を適切に表現できる
出典:早稲田大学人間科学部 カリキュラム
言語力・外国語能力が土台となります。
少人数教育を通して高度なコミュニケーション力を習得します。
人間を研究対象とする学部の性質上、言葉の勉強は大事だそうです。
人間という複雑な存在を理解するには多角的な視点が必要で、
中でも言葉は重要な位置を占めます。
英語を習うと外国の人の文化、歴史にも踏み込めるようになります。
スポーツ科学部
(前略)スポーツを通した国際交流は、
出典:早稲田大学スポーツ科学部 学科・コース
今後ますます重要性を増していくことでしょう。
本学部ではスポーツを通したコミュニケーション、
とくに外国語能力の研鑽に力を入れていきます。
今日、スポーツは国際的に行われるので、
外国語能力の研鑽に力を入れているそうです。
オリンピック、野球、サッカーの海外試合を中継など、
確かにスポーツを通して英語に触れる機会は増えました。
それこそ日本のチームに外国人選手が混ざっていることもあります。
国際教養学部
国際教養学部では明らかに英語が必要なので省略します。
まとめ
日本の大学はほぼ完全に英語が必修科目です。
理由は大学、その学部により様々ですが
- 社会の国際化に対応する
- 多角的な視点を手に入れる
- コミュニケーション能力向上
の3つに大きくまとめられます。
どれか一つでも価値を感じられたら、
英語勉強のやる気になります。