恒等式
例えば、
$$(a+b)^2 = a^2 +2ab +b^2, \quad \frac{1}{x} +\frac{1}{x+1} = \frac{2x +1}{x(x+1)} \hspace{20cm}$$
は文字にどんな値を代入しても
両辺の値が存在する限り、等号が成り立つ。
この様な等式を”恒等式”という。
定理
\( a_n x^n +\cdots +a_1 x +a_0 = 0\)
はxについての恒等式。\(\Leftrightarrow\) \( a_n = \cdots = a_1 = a_0=0\)
また
\( a_n x^n +\cdots +a_1 x +a_0 = a'_n x^n +\cdots +a'_1 x +a'_0 \)
はxについての恒等式。
\(\Leftrightarrow\) \( a_n=a'_n, \cdots, a_1 = a'_1, a_0 = a'_0 \)
係数比較法
等式、
\( a(x-1)^2 +b(x-2) +c = 2x^2 +x +1 \)
が恒等式であるようにa、b、cの値を定めたい。
左辺を展開すると
\( ax^2 +(-2a +b)x +(a -2b +c) \)
であり、
右辺と係数を比較して
\( a=2, \quad -2a +b = 1, \quad a -2b +c = 1 \)
を言える。
これを解くことにより
\( a=2, \quad b = 5, \quad c = 9 \)
と求まる。
この方法を”係数比較法”という。
数値代入法
先の等式にx=0、1、2を代入すると
\( a -2b +c = 1, \quad -b +c = 4, \quad a +c = 11 \)
であり、
これを解いてもa、b、cの値は定まる。
この方法を”数値代入法”という。
P、Qがxのn次以下の多項式で、
n+1個の異なる値に対して
P=Qが成立するならば
P=Qはxについての恒等式である。
比
比の値
比a:bに対して\( \frac{a}{b} \)を”比の値”という。
比例式
$$ \frac{a}{b} = \frac{c}{d} \hspace{20cm} $$
の様に、
比の値が等しいことを示す等式を”比例式”という。
これはa:b=c:dとも書かれる。
連比
$$ \frac{a}{x} = \frac{b}{y}=\frac{c}{z} \hspace{20cm} $$
の様に、
三つ以上の比の値に関する
比例式はa:b:c=x:y:zと書き、特に
a:b:cをa、b、cの”連比”という。
平均
相加平均
$$ \frac{a+b}{2} \hspace{20cm} $$
をaとbの”相加平均”という。
相乗平均
a>0、b>0の時
\( \sqrt{ab} \)
をaとbの”相乗平均”という。
相加平均、相乗平均の大小関係
定理
a>0、b>0とすれば$$ \frac{a+b}{2} \geq \sqrt{ab} \hspace{20cm} $$a=bの時のみ等号が成り立つ。
整数
偶数
正の整数に加え、0、
負の整数も倍数に含めるならば
2の倍数は
\( \cdots,-8,-6,-4,-2,0,2,4,6,8,\cdots \)
となる。
これらを”偶数”という。
(偶数の定義の一例です)
奇数
偶数でない整数を”奇数”という。
kを整数として
偶数は2k、奇数は2k+1の形に表される。