数学 数学科

数学科とは?早稲田に合格して
数学者を目指した私の経験を書きます。

数学の勉強ノート

数学科、という学科をご存知でしょうか。

文字通りひたすら数学を勉強する所なのですが
世間ではあまり知られていない謎の学科だと思います。

そこで、早稲田の数学科を卒業して、

京都大学で数学者を目指した
私の経験をお伝えしたいと思います!

数学科とは

大学の理学部に存在する学科の一つです。

学ぶことは数学、何をしてるかと言うと数学、学科の特徴は数学。

数学漬けの毎日を送れるのが良さです♪

数学以外にあるのは、論文を読むための英語
数学関連のソフト、プログラミングの講義くらいです。

目指せる就職先は学校の先生、
アクチュアリー(保険数理士)、データサイエンティスト、数学者、

2022年の現在は確率統計分野に進むと高収入に就きやすいです。

教室の雰囲気は「みんな同じ数学好き」
みたいな一体感があって居心地良かったです…。

数学は世間様からは理解されづらい学問なので
わかり合える人達だけの空間は新鮮でした。

数学科に向いている人

数学好きにとっては天国なので
数学を勉強していて楽しいと思える人は数学科に向いてます。

私の数学科に進学した理由も
「数学が好きで、もっと勉強したいからっ」でした。

向いてない人

反対に、数学に興味のない人には地獄の学科です。

今日も明日も明後日も数学でつまらないですし、

大学数学は高度な問題も扱うので
辛く、ついて行けなくなり最後は挫折します…。

数学科の人の日常

毎日が特別な日常

早稲田での私の一日を書いて行きます。

大学1年生

早稲田は東大、京大と同じ

学部入学のあと学科に振り分ける方式なので、
1年次は数学、物理、化学、情報をバランスよく学びます。

理系らしく科学の実験もします。

大学2年生

成績の良い人優先で希望の学科へ振り分け、
数学科進学の希望が通ると数学科の一員です。

そして時間割はこちら↓

時限/曜日
1数学(行列)英語(会話)数学(代数)
2数学(集合)数学(関数)経済学(マーケティング)
お昼休み
3プログラミング数学(微積分)英語(文法)数学(ベクトル)
4数学(確率)数学(複素数)
5数学(微積分)

毎日楽しい数学の時間が待ってます♪

英語とプログラミングも一応は必修科目で入ってて、
あと少しだけなら興味のある他学科の講義も受けられます。

講義の入れ方を調節すると一日くらいは休みの曜日を作れるので
週4日は頑張って残りは宿題をこなしつつ趣味、ゲームに使えます。

講義と講義の間が空いてる時は、
キャンパス近くのラーメン屋でご飯食べたり

ユニクロで買い物したりと大学生特有の自由さがあります。

3年生

数学の三大分野(代数学、解析学、幾何学)
の中から自分の専門を選びます。

この頃になると
卒業に必要な単位が揃って来て暇な時間が増えます。

就職活動したり、学校の先生を目指す人は
教育学部へ勉強に行ったり将来に向けた行動を始めます、

合間にサークル活動を楽しむのも良しです。

4年生

研究室に配属されて、みんなで協力して論文を読み解きます。
これが数学科では卒業論文の代わりになります。

単位を取り終えてる人は、もう講義はなし
内定も決まってるとこの時期は本当に暇です。

ちなみに、私は大学院進学の勉強で忙しかったです…。

理系で一番楽な学科?

数学科には実験も卒業論文もないので
理系で一番楽な学科と言われてます。

なぜ卒業論文がないかと言うと、

数学の定理は一度証明すると
永遠に使える性質を持っているからです。

大学生レベルの問題はすべて
昔の人が完璧な形で解答済みなので、

楽で喜ぶ猫

卒業論文のテーマにできるものが残ってないのです。

楽したくて入って来る人が1割程度います…。

パソコンの使い方

数学科は意外とパソコンを使いません。

レポートは基本、
数式だらけになるのでワードでは上手く書けませんし
(手書き、もしくはLaTexというソフトを使います)

実験しないのでエクセルでデータの処理もしません。

パワーポイントを発表で使ったり、
論文のダウンロード(在学中のみ可、全力で読み漁ります)
が主な使い道です。

応用数学科との違い

数学科と似た学科に応用数学科という所があって
こちらでは良くパソコンを使います。

数学科は役に立つかは置いといて、数学なら何でも研究します。

対して応用数学科は社会、自然の問題に役立つ数学を研究する
実用性の高さでは数学科より上の存在です。

プログラミング、数学関連のソフト
MathematicaRなど)を積極的に使います。

お金の稼ぎ方

お金が増えて行くイメージ

現在(2022年)の主な数学科の人のお金の稼ぎ方は次の通りです。

アルバイト

塾、家庭教師になって数学を教えます。

数学科に通ってることを面接でアピールすると採用されやすいです。

シフトを入れ過ぎると
勉強の時間が削られて単位を落としてしまうので要注意。

学校の先生

数学科の就職先で最も安定してるのが学校の数学の先生です。
(中学校または高校のみ、小学校の先生にはなれません)

日本は先生不足なので教員免許を取ればほぼ採用確定、
そこそこ高収入でもあります。

問題は残業が多めなこと、
「生徒のためを思うと自然と仕事が増えて行く…」との噂です。

IT、金融

数字への強さを活かしたIT、金融系への就職も可能です。

数学科を卒業して地元の銀行に就職した、は良く聞く話です。

この場合は若さが採用への鍵なので大学3年生(できるなら2年生)
の内から早めの就職活動が大事です。

アクチュアリー(保険数理士)

保険数学を専攻してると就ける年収一千万の高収入な職業。

資格試験に合格する必要があって大変ですが頑張る価値はあります。

会社勤めだと労働時間が長く、多忙で消耗しますが、

機を見て独立開業して
自分のペースで働ける環境を作る手があります。

データサイエンティスト

データを分析して効果的な解決案を提供する仕事。

ビッグデータとの相性が抜群なため需要が非常に高い人気職。

就くためには
統計学、プログラミング、ビジネスに対する理解力と、

複数の分野を高いレベルでこなす柔軟さが要るので
なかなか大変です。

数学者(研究職)は厳しい

数学科は数学者を育成する所ですが
現在、数学者になるのはほぼ無理です。

かく言う私は数学者を目指して早稲田を卒業後
京都大学の修士課程に進学しました。

修士号は取れましたが、
次の博士後期課程への進学条件が
「今まで無かった新しい定理を一つ見付けること」でした。

どんな定理でも一つ見付けられれば、それで合格なのですが
実は不可能に近い難題です。

数学の歴史は千年、二千年レベルの長さを持ち
天才と呼ばれる数学者が生涯を賭して多くの定理を生み出しました。

なので、私が何か定理を見付けても
「それは、過去の〇〇さんが既に見付けてますよ」となるのです。

さらには大学のポストが埋まっている状況なので
数学者になれても就職まで待たされて辛い思いをします…。

そんな私の末路はフリーランスのブロガーでした。
(数学者になれなくて、就職活動にも完璧に出遅れてしまったので)

数学科の恋愛(余談)

ロマンチックなハートマーク

最後に数学科の人の恋愛事情を書いて終わろうと思います。

女子がいない…!

数学科はほぼ男子で構築されています。

クラスに50人いて女子は2人だけ、みたいな状況。

サークルに入る、などして交友関係を広げないと
彼女を作ることはできません…。

逆に女子にとっては周りが男子だらけなのでチャンスです。

プロポーズ

数学者にはお約束のプロポーズの仕方があります。

すなわち、ハートを数式でグラフに描く、という事をします。

カージオイドのグラフ

$$r=a(1+\cos\theta)$$

確かにハートですが、この方法で愛を伝えられても戸惑いそう…。

結婚披露宴で使う人もいます。

まとめ

以上、私が数学科で経験して来たことでした。

数学科がどんな所か色々お伝えできたと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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