命題と集合
命題
式や文章で表された事柄で、
正しいか正しくないかが明確に決まるものを
”命題”という。
真偽
正しい命題は
”真”であるといい、
正しくない命題は
”偽”であるという。
条件
例えば「xは素数である」
の様に、
xのとる値によって真偽の変わる文章、式を
xに関する”条件”という。
仮定と結論
命題は二つの条件p、qを用いて
「pならばq」の形で書かれることが多い。
pを命題の”仮定”、
qを”結論”という。
式で書くと
\( p \Rightarrow q \)
である。
全体集合
命題の真偽において、
条件を満たすか考える対象
となるもの全体の集合を
その条件の”全体集合”という。
例えば命題
\( x^2=1 \Rightarrow x=1\)
は全体集合を
自然数とするならば真であるが、
実数とすれば偽である。
(後者はx2=1の時、x=-1、1なので)
定理
全体集合Uの下、命題p⇒qを考える。
仮定pを満たすUの要素全体の集合をP
結論qを満たすUの要素全体の集合をQ
とすれば
\( 「p \Rightarrow q \) は真」と「\( P \subset Q \)」は同値
である。
また
\( 「p \Leftrightarrow q \) は真」と「\( P = Q \)」は同値
も成り立つ。
反例
偽である命題p⇒qにおいて、
仮定pを満たすが
結論qを満たさない全体集合の要素を
この命題の”反例”という。
否定
条件pについて、条件「pでない」を
その”否定"といい
\( \overline{p} \)
と書く。
定理
ド・モルガンの法則に対応して、
二つの条件p、qについての
否定命題には次の関係がある。
「\(p\) かつ \(q\) 、の否定」と「\( \overline{p} \) または \( \overline{q} \)」は同値
「\(p\) または \(q\) 、の否定」と「\( \overline{p} \) かつ \( \overline{q} \)」は同値
条件の分類
命題p⇒qが成り立っている時
qはpであるための”必要条件”
pはqであるための”十分条件”という。
必要十分条件
命題p⇒qとq⇒pが共に成り立つ時、
すなわちp⇔qである時
pはqであるための”必要十分条件”という。
(qもpであるための必要十分条件)
この関係を
pとqは”同値”、という。
命題の分類
命題p⇒qに対して
- 命題 \(q \Rightarrow p \) を、その”逆”
- 命題 \( \overline{p} \Rightarrow \overline{q} \) を、その”裏”
- 命題 \( \overline{q} \Rightarrow \overline{p} \) を、その”対偶”
という。
定理
命題 \( p \Rightarrow q \) の真偽は、その
対偶 \( \overline{q} \Rightarrow \overline{p} \) の真偽と一致する。
対偶法
命題が真であることを示す時、
代わりに対偶を示すと楽になることがある。
背理法
命題を証明する時、
命題が成り立たないと仮定して矛盾を導き
それをもって
命題が成り立つと結論する方法がある。
これを”背理法”という。
数の演算
順序のついた組
集合Mの二つの要素a、bに
順序をつけて並べたものを(a, b)と書く。
(a, b)を”順序のついた組”という。
演算
Mのどんな順序のついた組(a, b)にも
Mの一つの要素cが定まるとする。
(a、b)にcを割り当てる
対応を”演算”といい
記号 \(\circ\) を用いて
\( a \circ b = c \)
と書く。
例えば有名な演算である足し算を考えると
整数集合の順序のついた組(1, 2)には3が対応します。
演算の開閉
Mの演算 \(\circ\) を考える時
Mの部分集合Pのどんな要素a、bも常に
\(a \circ b \in P \)
を満たすなら、
Pはこの演算 \(\circ\) に対して
”閉じている”という。
四則演算
数や多項式などについての、
加法、減法、乗法、除法の4つの演算を
まとめて
”四則演算”という。