高校数学の単語帳2巻

【数学A】三角形の五心の単語帳

三角形の五心

三角形は中心となる点を五つ持つ。

重心

中線

三角形において
頂点と対辺の中点を結ぶ線分を

”中線”という。

重心の定理

三角形の3つの中線は1点で交わり、
その点は各中線を2:1に内分する。

この交点を

”重心”という。

証明

中線ALとBMの交点をGとする。

中点連結定理より
△AGBと△LGMは2:1で相似。

AG:GL=BG:GM=2:1になる。

頂点Cの中線とALの交点をG'とし、
同様に進めれば点GとG'は一致する。\(\square\)

内心

内心の定理

三角形の3つの内角の二等分線は1点で交わり、
その点は3つの辺から等距離にある。

この交点を

”内心”という。

内心を中心とした3つの辺に接する円を

”内接円”という。

証明

∠Bと∠Cの二等分線の交点をIとし

Iから各辺に垂線を降ろして点D、E、Fをとる。

角度と斜辺が等しいので
△BIF≡△BID、△CID≡△CIE

よってIF=ID=IE

2組の辺の等しい直角三角形なので

△AIE≡△AIF

AIは∠Aの二等分線である。\(\square\)

傍心

傍心の定理

三角形の一つの頂点における内角の二等分線と
残りの二つの頂点における外角の二等分線は1点で交わる。

この交点Iaを∠Aの内部における

”傍心”という。

Iaを中心に辺BCと接する様に円を書くと
辺AB、ACの延長とも接する。

この円を

”傍接円”という。

傍心はIa、Ib、Icの全部で3つあります。

△IaIbIcの垂心は△ABCの内心と一致します。

証明

∠Bの外角の二等分線と、
∠Cの外角の二等分線との交点をIaとする。

Iaから辺BCおよび
辺AB、ACの延長上に垂線を降ろして

点P、Q、Rをとる。

角度と斜辺が等しいので

△IaBQ≡△IaBP
△IaCP≡△IaCR

よってIaQ=IaP=IaR
(傍接円を書ける)

また2組の辺の等しい直角三角形なので
△IaAQ≡△IaAR

線分AIaは∠Aの内角の二等分線である。\(\square\)

外心

外心の定理

三角形の3辺の垂直二等分線は1点で交わり
その点は3つの頂点から等距離にある。

この交点を

”外心”という。

外心を中心とし、3つの頂点を通る円を

”外接円”という。

証明

辺ABの垂直二等分線と、
辺ACの垂直二等分線との交点をOとする。

2組の辺の等しい直角三角形なので
△OPA≡△OPB

よってOA=OB

同様にOA=OCであり、

まとめるとOA=OB=OC

点Oから辺BCに垂線をORを引くと

2組の辺の等しい直角三角形なので
△ORB≡△ORC

BR=CRとなり
ORは辺BCの垂直二等分線である。\(\square\)

外心の位置

外心は、

  • 鋭角三角形なら内部
  • 直角三角形なら斜辺
  • 鈍角三角形なら外部

に位置する。

垂心

垂心の定理

三角形の3つの頂点から対辺または
その延長に降ろした垂線は1点で交わる。

この交点を

”垂心”という。

証明

  • 点Aを通り辺BCに平行な直線
  • 点Bを通り辺CAに平行な直線
  • 点Cを通り辺ABに平行な直線

を引いて、三角形PQRを作る。

四角形ABCQとACBRは平行四辺形なので
AQ=BC、RA=BC

RA=AQとなる。

同様に考えてPB=BR、QC=CP

  • 垂線ADは辺RQの垂直二等分線
  • 垂線BEは辺PRの垂直二等分線
  • 垂線CFは辺QPの垂直二等分線

である。

△PQRに外心の定理を用いれば、これらは1点で交わる。\(\square\)

△ABCの垂心は△PQRの外心です。

五心

重心、内心、傍心、外心、垂心を合わせて三角形の

”五心”という。

五心に関する定理

定理1

△ABCの垂心をH、外心をOとする。
Oから辺BCへの垂線OLはAH=2OLを満たす。

証明

Oから辺ABへの垂線をOM、BHの中点をNとする。

Oは外心なのでMもABの中点よって

中点連結定理よりMN//AH
△BMNと△BAHは1:2で相似である。

同じ辺への垂線なのでAH//OL
MN//OLとなる。

同様に考えてLN//OM

四角形OMNLは平行四辺形になる。

平行四辺形の対辺は等しいので
OL=MN

先程の相似比より2MN=AH

結局、AH=2OL \(\square\)

定理2

正三角形を除く鋭角三角形の重心G、外心O、垂心H
は一直線上に並び、GはOHを1:2に内分する。

証明

外心O、垂心Hをとり
Oから辺BCに垂線OPを降ろす。

Pは辺BCの中点なので重心はAP上にある。

今、APとOHの交点をGとすれば

AH//OPより
△GOPと△GHAは相似。

また定理1より、その相似比は1:2

重心は中線APを2:1に内分する位置にあるので
Gが重心である。\(\square\)

定理3

△ABCの垂心をH、AHの中点をK、辺BCの中点をLとする。
この時、KLの長さは△ABCの外接円の半径に等しい。

証明

点Oを外心とすればOLは辺BCの垂直二等分線。

定理1よりAH=2OL

またKは中点なのでAH=2AK

よってAK=OLとなり
四角形AOLKは平行四辺形である。

AO=KLともなり
KLは外接円の半径と等しい長さ。\(\square\)

中線定理

△ABCにおいて辺BCの中点をMとすれば、

$$ \mathrm{AB}^2 +\mathrm{AC}^2 = 2(\mathrm{AM}^2 +\mathrm{BM}^2) \hspace{20cm}$$

証明

頂点Aから辺BCに垂線AHを降ろす。

この時

\( \mathrm{BH}^2 +\mathrm{CH}^2 = (\mathrm{BM} +\mathrm{MH})^2 +(\mathrm{CM}-\mathrm{MH})^2 \)

右辺はBM=CMなので

\(= (\mathrm{BM} +\mathrm{MH})^2 +(\mathrm{BM}-\mathrm{MH})^2 \)

\(=2(\mathrm{BM}^2 +\mathrm{MH}^2 ) \)

である。

上の関係式より定理は、

\(\quad \mathrm{AB}^2 +\mathrm{AC}^2 \)

\( = ( \mathrm{BH}^2 +\mathrm{AH}^2 ) +(\mathrm{CH}^2 +\mathrm{AH}^2)\)

\(=2(\mathrm{BM}^2 +\mathrm{MH}^2) +2\mathrm{AH}^2 \)

\( =2(\mathrm{BM}^2 +\mathrm{MH}^2) +2(\mathrm{AM}^2 -\mathrm{MH}^2 ) \)

\( =2(\mathrm{AM}^2 +\mathrm{BM}^2 ) \)

と示される。\(\square\)

次の単元

前の単元

単語帳トップへ

-高校数学の単語帳2巻